一部執集

― 怠慢と追求の巧い駆け引き ―

最近Exile's Main St.が段々Beggars Banquetに匹敵するくらい気に入りだしてる奴の話。でもネーミング的にはその数年後に出たIt's Only Rock'n'Rollってタイトルのほうがなんかこう「It's only Rock'n'Roll」という言葉そのものをまさに座右の銘というか心情としてる人から「Rock'n'Roll」を取ったらもう何も残らんみたいなどうしようもなく一途で驀地な感じがして若干好きって奴の話。

昔の、それこそ7~80年代の日本の売れっ子ミュージシャンが、青春時代に頻繁に耳にしていた海外のポピュラー音楽に取り憑かれて以来レコード収集道を極めてる人って、各々なんかしらの目標決めてそこに向かって集めてる人が殆どっぽくて、「いついつの時代のチャートベスト3に入ったのシングル曲のEP盤は絶対補完してやる」、とかさ

ラジオで小耳挟んだ話やけどな

そう考えたらほんま俺、何も考えてねーなーと

何も考えずに集めてんなーと

初期衝動っていうか、そん時そん時で気に入ってるやつ、気になってるやつを気になったままに盲目的に手に入れてしまうというか。でもまぁ覚書みたいに何を気になってるかっていう下準備?どっかにメモはしてる。常にしてる。マジでメモっとかんと人間やしいつかどっかで頭から消え去るの分かってるし。でもそれって目標じゃねーからなあ。

ゴールなんて決めてないなー。だから延々溜まっていく一方なんやろうな。

足の踏み場が段々となくなってきそうな勢い。そして今の取り留めのないこの状況が面白くてかつ自分自身楽しんでるから、盤の所有枚数をあえて数えてなかったり。

その、「完遂すべきテーマ」みたいな、制約みたいなのがない。決めたことがない。そういうのを。

昔の、何の予備知識や情報が得られない、インターネットとか無論存在しない時代、今と比べたら圧倒的に情報網が限られてる、雑誌に新聞にラジオにTV、あと口コミ、そんなん以外に情報を入手する術のない時代。レコードを手に入れて聞いて初めて自分の中での当たりだったりはずれだったりが、買って封切って針落とした、その瞬間に初めて分かるそんな時代に倣って、

すぐに情報が手に入る現代のテクノロジーフルに活用して何が好きで何を求めててって自分中で予め分かった上でショップ行ったりする中で、

でもあくまで、足運んだそこで初めて出会う見つかる発見とか、『一期一会』とか、って表現って臭過ぎて凄っげえ苦手やけどそういうのを先に考えてる。最近は特にそこにムッチャ意識置いてる。

失礼やん。欲しいモン買うだけ買って用済みゃほなサイナラじゃ。レコード収集家とか、そういう古き良き物を重んじる人って元より、唯の『一消費者』ではないから。

『モノを、ただ買いに来る人』止まりじゃないから。

ある程度の予習だけ軽く済ませといて、あとは欲しいものを欲しいだけ手に入れる。レコードも、それ以上の何かも。まぁもちろん財布との相談の上でやけども。

欲張りやからなぁ、自分の中での掟というかこれこれこういう目標立ててこの目標を達成するまではこれこれのレコードは手に入れない、みたいなルール決めてまうのはな、俺のこの性格上あまりに酷でしゃーない。

だってそういう時に全く予期してなかった思いがけん出逢いなんかがあったらどうするんっていう。

って言いながら、優先順位はあったりする。貴重な盤を手ごろな値段で見付けたりしたら言うまでもなくそれ優先してまうし。

で一回そういうの見つかって、同じタイプ同じシリーズで揃えたいなってときに他に別段よく市場で出回る、いや前々からずっと気になってはおった代物ではあるもののそん時何が何でも入手する必要性はあんまないものがあっても、そん時は渋々入手見送ったりな。

でもそれは縛りや目標とかっていうよりもただの俺個人のポリシー。レコード以外にも大いにある。何にでもそれはある。めんどくせーけど。

 

で、

そんな中

 

約3年待った

 

ようやく、B'zのEPIC DAYの

 

アナログ盤を、晴れて手に入れたのだ。

 

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はああああーー

やっと来たわぁーー家にぃーー。

 

2015年に新アルバムリリースと共にCDの他に『レコード』という媒体でも出されるっていう情報が出て、

実際にアルバムのリリースあってから、早3年

レコードで出るんなら、悪いけどレコード>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>CD、なんで。

アナログ媒体で出してくれるのにわざわざ音域を端折ったデジタル音源に走る必要性が分からんので。

そんなわけでようやく入手したわけだが。

 

収録の冒頭1発目の「Las Vegas」が、

 

アメリカならでは派手でギラギラした雰囲気が終始まとった凄い曲やなあとはずっと思ってて

 

でもフワッと何となくその程度の認識で、 

 

でもこれよくよく聞いたら

 

もっと凄いことに気が付いて、

 

一世一代の大発見にして究極の灯台下暗し

 

結論から言うとだな

 

実は

すっごいBluesだったっていう

 

たった3つ

ードの

循環しかてないっていう

 

その「3つのコードしか使ってない」ことに

全く気付かせないほど

サウンドが出来すぎてて、本気でビックリした。

あまりにも、弦楽器打楽器のほかに80年代後半の第2期AEROSMITHばりにホーンセクションガンガンやったから、まさか、そんな単純にして昔ながらな素朴な構成やったとは。あのサウンドの派手さ聞いただけじゃ誰も気付くまい。

 

どこで気付いたかっつったら、最初の事の発端はTakのギターソロの部分

あそこ、途中までずっと「Eb」で突っ走ってて、途中から突然えらい渋めの7thコード行くなー

尚且つ「ンッチャチャン、チャッ」の、いかにもお祭り感ある手拍子に見事マッチした、渋い7thの音鳴ってんなー

その程度のもんやった

今までのB'zの曲も色んな所で7thの音自体はよく耳にしてたのもあったし余計

「良くあること」くらいにしか思ってなかった

 

それも

この事実に気付いてしまうまでの、話。

 

いつやったかどっかで、

「えっ」

 

「えっ?」

 

「まさか」、ってピンときだしたの。

 

この辺のアンテナの感度、やっぱりStonesとかAEROSMITH耳やなって俺今でも思う

 

マジで、ギターソロの部分っていうのが

 

「Eb」の音がひたすらガアアーー鳴ったその後に、

「Bb7」って来て、「Ab7」って来て、

んで元の「Eb」に帰ってくる。*1

 

ただこれだけなんよ。

 

で、ここで気が付く

 

「このコードの流れ、なんかすっごい知ってる流れやぞ」って気が付く

 

んで、まさかって思ったら、案の定、

 

歌詞の

「寂しげなアーケードに」から「昔の活気など分かんない」、そのあとのブリッジ部までバックで鳴ってるコードはずっと【Eb】

「この視界照らすのは」で【Ab7】、「パチンコ屋のまばゆいネオンサァァァ~イン」で、【Bb7】、

で「Las Vega~s!!」のサビで、元の【Eb】に戻ってくる。

 

サビももうほっとんど一緒。

「Las Vega~s!!」から「時間はあとどんくらいある~?」までバックはずっと【Eb】

「錆び始めたこの愛車で」で【Bb7】、「とりあえずどこまで行ける?」で【Ab7】

 

「気が向けばWon't you come with me. A HA HA~ン」で、【Eb】に帰ってくるのみ。

 

Eb - Bb - Ab - Eb

 

これだけ。

 

バリBlues。

 

やっぱり。

 

曲の最初っから最後まで

ずっとそれだけやん!!

 

凄い。実はこれだけしかしてないってのが凄い。

 

実はTak Matsumotoも、あえてのそこ狙ってたのかも知れん。

実はスッゴイ純Bluesな空気を、曲を感覚的にただ聞いただけじゃまず絶対に感じ取れんくらい、

普通のギター&ベース&ドラム&ヴォーカルっていうバンドサウンドの上に重なって、色とりっどりの音色が、音数が、縦横無尽に主張しまくってるし

ギターソロなんかも、オーソドックスなBluesであれば腰の利かせた極めてシンプルーなペンタトニックで良いんやろうけど、やっぱりLoudでHard。ベースはそんなスリーコードの上ではありながら暴れ叫ぶようなぶっ飛ばしなソロ弾いてる

だから、

「いつも通りのB'zの、そういう音」と、リスナーの普通に聞く分にはあえてそう思わせたかった、みたいな魂胆?

実は全く、単ッッッッッ純なことしかしてない、そのとてつもなく単純だった、って部分を、HardなRockながらのあの騒々しさで、ある種の「ひた隠したい」精神。

 

知っている人は、知っている。じゃないけど。

そんな狙いも、若干ある気がする。

 

あとこれがなぁ、

ほんま

 

ずっと、脳裏に引っかかってたことがあって、

 

Takが、【Eb】に当たるフレーズで弾くリフってなったら、

ただの単調なパワーコードじゃなく何かと5弦5度の音を上下したがるなあってこと。

 

これずっと気になって気になってしゃーなかったの!!マジで。

 

その何気ないリフの音がこの曲のテーマ性の全てを決定付ける、確たる、………こうなんというか【伏線】とでも言うべきか、

その弾き方っていうか和音をやたら多用したがる、何かしらの理由っていうか裏付けみたいなのが絶対にどっかにあるって

 

俺直感的に感じてたのよ!

 

それぐらい曲の終始ずっと、「Eb」が来るや否や頑なにそのリフの弾き方にこだわってる感じするし、

 

何よりスッゴイ印象的耳に残るから。その聞こえてくるリフの音が!

 

このリフって、言うたら5~60年代のBluesやRock'n'Rollミュージシャンみんなが弾いてきたあの音。

Rock'n'Roll、Rockabilly、Bluesといえばこのギターリフ、ってやつ。

どういうことか知りたい方はぜひこの方のリフを聞いてみては。

一目瞭然、いや【一聴瞭然】であります。

Tak、マジでLas Vegasの「Eb」の所モロこんな弾き方してるから。

youtu.be

 

で、何ーーーでそのBluesなRock'n'Rollリフの音に執拗にこだわるんかなー

B'zって、Hard Rock、HR/HMのはずやのに、

珍しくえらい古い渋い和音使うなー

って思ってたら

やっぱり。

 

本当に、単純にB'zの曲やからってんで好きになる人も少なからずおるやろうけど

実は古き良きアメリカの歴史や伝統をこういった新たな形で昇華している、

ただのドンチャン騒ぎな曲では終わらん、

【分かる】人間、ピンと来る人間にはゾックゾクに嬉しくて嬉しくてたまらんギミックやカラクリ仕掛けがふんだんに盛り込まれたこの曲。

 

この曲含めた近頃のB'zを何かってーと「落ち着いた」「昔のほうが」とかぶーたれるそこのあなた。

【分かって】ないですねえ全くー。

寧ろ良い意味で志向がグングン退行して行っておりますよ。これまで以上にもっともっとソフィスティケートされて。

B'zはただの昭和歌謡バンド止まりではありませんのでね。……いや昭和歌謡なB'z好きやけど。ゴリゴリで。「恋心」とか「サマーセッション」とか「もう一度キスしたかった」とか「ALONE」とか。

 

まぁそんな、Las Vegasを、あろうことか

レコードで聞くんです。

 

しかしいつ見ても、EPIC NIGHTでLas Vegasやった時の、あのビームライトとステージ演出の派手さ、

まさにネバダはラスベガスの入り口かのような、やりすぎなくらいにそこら中にぶら下がってるアメリカンアイコンなバルーンと、バックのストックカーの山、

メーター振り切ってる、あの目ぇ痛いくらいやりすぎで過剰な感じがマジアメリカン(笑)

マジで段々B'zが、ある意味ほんまに通じる人にしか通じん、並な日本人にはほんまウケにくい志向のバンドにすらなって来てる気する(笑)

 

てなわけで、

なーんの制約とか、縛りとか、決めずに。自分の欲と音楽的琴線、ゾワゾワ来たそういうモンにほぼ90%以上を任せて、欲しいものを欲しいままに集め続けます。

コレクターとか、収集家とか、数とか、そんな肩書き正直リアルに興味ない。このままいって棚に収まりきれんのんかって心配はあるけど。

*1:ここの基準キーのEbの部分にも終始7度の音を持ってきてるかまではちょっと分からんけど。までも合間にアクセント的にローコードでGbとかAbっていう、Eb基準で考えるところの「短調」に当たるコード入れてるから多分7thとは違うような気も何となくする